食品包装のなかでも軟包装に欠かせない存在となっているプラスチックフィルムは、最初から今のように安全で食べやすく開けやすい包材であったわけではありません。登場当初はプラスチックの弱点とされていたバリアー性や強度の改善に開発力が注がれ、徐々に消費者目線ともいえる「易開封(いかいふう)性」にも視点が注がれるようになってきました。そして生まれたのが「易開封性フィルム」と呼ばれる素材で、具体的な製品名称は各社それぞれに商標登録された名称がつけられています。この易開封性フィルムは、プラスチックフィルムの製造過程で延ばした方向と同じ方向に、いとも簡単に引き裂くことができるという「直角カット性」を利用したものです。この易開封性フィルムを積層構造の基材となるフィルムとシーラントの間に入れることで、直線カット性が活かされつつ食品包装に求められるそのほかの機能も満足させる包材として進化していったのです。