プラ容器の進化

昨今日常生活ですっかりお馴染みとなったプラスチックを使った包装容器ですが、以前からあった缶詰に代表される金属缶や梅酒などによく使われていた瓶詰に比べ、劣る点が多々ありました。

例えば、大気などの侵入をシャットアウトできないガスバリアー性、耐熱性、変形しやすい、気候などによる内容物の変質に耐えられないなどの対候性、こすると細かいゴミが付着しやすいなどなど、挙げるときりがないほどでした。中でも食品包装用として決定的なのが酸素や水蒸気などを遮断できる目安となるガスバリアー性。内容物となる食品がそのような酸素や水蒸気で変質してしまい保存がきかない点が如何ともしがたいもので、その普及の足かせとなっていました。

一方でプラスチックならではと言えるメリット、例えば軽い、形状が自在にできる、印刷等で見た目もきれいできるため商品価値が上がる、薄いため殺菌時間も短縮できるなどがあり、何とか食品包装にも使えないかというニーズが多く、そのギャップを埋めるべく材料や製造技術の開発に努力が払われていました。それを後押しできる環境、中でも設計時柔軟に対応できるという樹脂ならではのメリットが大きかったのではないでしょうか。

そのほかレトルト食品に代表される長期保存が可能となるような食品製造技術の向上と、逆に賞味期限を長期設定せず開けやすいというような簡便性を前面に出すことで多くの消費者に重宝がられていったというユーザーサイドの事情も加わっていたかもしれません。このような時代のニーズと数々の開発努力や環境条件が整っていったおかげで今のプラスチック包装容器が、食品包装として多方面で使用されている現状を形作くられていったと言っても過言ではないでしょう。

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