プラスチック製の袋は、さまざまな商品を包装しています。JIS規格では0.25mm未満のものをフィルムといいます。それよりも厚いものをシートと分けています。ただ、これには厳密な区分はありません。

プラスチックフィルム

一般には、厚いものをシート、薄いものをフィルムと呼んでいます。フィルムを作る方法は、押し出したチューブに空気を吹き込んでふくらませるインフレーション法と、平らなフィルムを口金から押し出してロール上で急冷するTダイ法があります。単層のフィルムで使われているのは、ゴミ袋やレジ袋です。OPP袋と呼ばれる透明な袋もよく使われます。カップ麺などの収縮フィルム、トレイのラップフィルム、日用品や文具、衣類といったものの簡易包装などにも使われます。

フィルムは押し出されたままのときは、伸びやすいので、印刷や貼り合わせ加工がしにくいという面があります。そのため光沢のある美しい多色刷りの袋の基材には、押し出したフィルムを縦方向あるいや縦横方向に伸ばした延伸ポリプロピレン、ポリエステル、延伸ナイロンなどを用います。延伸フィルムと呼ばれるものは、ヒートシール性が悪いということで、内側に低密度ポリエチレン、無延伸ポリプロピレンなどのヒートシール材を貼り合わせます。こうした複合フィルムは、カップなどの蓋に使われたり、いろんな商品の包装袋に使用します。

複合フィルムというのは、異なる機能を持つフィルムを貼り合わせたものです。貼り合わせたフィルムにさまざまな機能をもたせることができます。例えば、ポテトチップスの袋には、二軸延伸ポリプロピレンとアルミ蒸着ポリエステル、無延伸ポリプロピレンの三層の積層フィルムになっているのが一般的です。単層フィルムと複合フィルムを使い分けています。

熱や油に強いポリプロピレン容器

食品包装用成型容器のプラスチック素材としてよく使用されているのが、PS(ポリスチレン)、PP(ポリプロピレン)、PPF(フィラー入りポリプロピレン)、A-PET(非晶性ポリエチレンテレフタレート)そしてPLA(ポリ乳酸)の5種類と言われています。このうち、PPを原料として成型された容器について紹介したいと思います。

PP容器

PP容器は、半透明で曲げても割れにくいうえ、熱や油に強いという特性をかわれ、スナック食品、パン、菓子、野菜といったものの包装や食品カップ、食品用フィルムやシート、トレーなどに使用されています。またポリプロピレンに無機物を配合したPPF(フィラー入りポリプロピレン)容器は、熱に強く、油分を含んだ食品を温めたりできることから弁当や惣菜などの電子レンジ使用が可能な容器として、あるいは耐熱食品向けとして多く使用されています。

さらにポリプロピレンを発泡させて作った発泡PP容器は、割れや曲げ、さらには熱や油にも強いため食品トレーなど多くに使用されています。

PET容器にはA-PETとC-PETがある

PET容器

現在の食品包装用成型容器に使用されている包材で作られたPET(ポリエチレンテレフタレート)容器についてご紹介したいと思います。このPET容器には、A-PET(非晶性ポリエチレンテレフタレート)容器とC-PET(結晶性ポリエチレンテレフタレート)容器の2種類が現在使用されています。

A-PET容器は透明性が良好なうえ、耐油性、成型加工性、耐薬品性にも優れていることから、サラダや総菜向けカップ、漬物などの汎用カップ、和菓子・洋菓子等のデザート向け容器としても多く使用されています。

一方C-PET容器は200℃までの高耐熱性をもたせることで調理済みの食品の電子レンジによる再加熱用容器などに主に使用されています。その他プラスチック容器用素材としては、PS(ポリスチレン)、PP(ポリプロピレン)、PPF(フィラー入りポリプロピレン)そしてPLA(ポリ乳酸)が挙げられます。

これらはそれぞれの素材の特徴を生かした使われ方で食品用容器として重宝されています。